納品後のことを、開発前に考えておく
システムは完成してからが本番です。運用・保守・改修のことを開発の前に整理しておくと、後から困らずに済みます。
完全型プロトタイプ開発では、要件定義の段階で運用をシミュレーションすることが可能です。プロトタイプを実際に触りながら「この業務フロー、本当に運用できるか」を事前に確認できるため、この記事で整理する内容をプロトタイプの確認フェーズで検討しやすくなります。
「完成したら終わり」ではない
外部ベンダーにシステム開発を依頼する場合、「納品=ゴール」と感じやすいものです。ただし、実際には納品の後に本番運用が始まります。そこで初めて見えてくる問題もあります。
完全型プロトタイプ開発であれば、プロトタイプ段階で業務フローを確認しているため、リリース後のトラブルは少なくなります。それでも、運用・保守・改修への備えは開発前から考えておくことをお勧めします。
運用フェーズに向けて整理しておくこと
誰がシステムを管理するか
リリース後、システムに関する問い合わせや軽微な設定変更を社内で誰が担当するかを決めておく必要があります。IT担当者がいない企業では、この点が後から問題になりやすいです。
保守契約の範囲
ベンダーとの契約が「納品まで」で終わるのか、保守・サポートまで含むのかを確認してください。不具合が発生したときに誰に連絡するか、対応にかかる費用はどうなるかを事前に明確にしておくことが大切です。
機能の追加・変更はどう進めるか
業務は変わります。リリース後に「この機能を追加したい」「この画面を変えたい」というニーズは必ず出てきます。追加開発をどのベンダーに依頼するか、予算をどう確保するかを最初から意識しておくと、後から慌てずに済みます。
データの管理
誰がどのデータにアクセスできるか、バックアップはどうするか、データの保管期間はどうするかも確認が必要です。特に個人情報を扱うシステムでは、リリース後に対応するのではなく、設計段階から考慮する必要があります。
完全型プロトタイプ開発との関係
完全型プロトタイプ開発では、プロトタイプの段階から本番と同等の環境を使います。そのため、「運用したらどうなるか」のイメージがしやすいという利点があります。
プロトタイプを触りながら、「このデータは誰が入力するのか」「この承認フローは担当者が変わった場合どうするか」という運用上の問いを事前に出しやすいです。開発前・プロトタイプ段階でこれらを整理しておくことで、納品後に困らない設計が実現できます。