完全型プロトタイプ開発の進め方と、期間の目安

依頼からリリースまでの全体の流れと、各フェーズの期間感を整理します。発注側がやることとベンダーがやることも合わせて確認しておきましょう。

全体の流れ

完全型プロトタイプ開発は、大きく次のフェーズで進みます。

フェーズ 内容 主な担当
ヒアリング 現状業務・課題・ゴールの確認 ベンダー主導、発注側が情報提供
プロトタイプ開発 本番同等の機能を持つプロトタイプの実装 ベンダー
確認・修正 プロトタイプを触って業務フローを確認、フィードバックと修正 発注側が確認、ベンダーが修正
本開発 プロトタイプを土台に本番システムを完成させる ベンダー
リリース・移行 本番環境への展開、データ移行、運用開始 ベンダー主導、発注側が対応

各フェーズの期間感

プロジェクトの規模や複雑さによって大きく異なりますが、目安として参考にしてください。

ヒアリング:1〜2週間程度。業務の複雑さや、社内の情報が整理されているかどうかで変わります。

プロトタイプ開発:数週間〜2ヶ月程度。対象業務の範囲と機能の複雑さで変動します。

確認・修正:2〜4週間程度。修正の回数や、フィードバックを出すまでの社内調整時間が影響します。

本開発:1〜3ヶ月程度。プロトタイプで確認・修正が十分に行われていると、手戻りが少なく予定通り進みやすくなります。

合計:小規模なシステムで3〜4ヶ月、中規模で半年前後が目安です。

発注側がやること

ヒアリングへの参加

ベンダーが行うヒアリングに、業務を理解している担当者が参加します。「何を作りたいか」よりも「今の業務でどんな問題があるか」を伝えることが重要です。

プロトタイプの確認

完全型プロトタイプが完成したら、実際の業務担当者が触れて確認します。「この操作で合っているか」「この画面に足りない情報はないか」「この流れで実際の業務が回るか」を確かめます。

この確認フェーズが、完全型プロトタイプ開発のなかで最も重要です。発注側の参加なしには機能しません。

フィードバックを出す

確認した内容をベンダーに伝えます。「ここが違う」「こうして欲しい」という指摘で構いません。言語化しにくい場合は、ベンダーと一緒に整理する形でも問題ありません。

プロジェクトが遅れやすいパターン

フィードバックが遅い

確認担当者が忙しく、フィードバックを出すまでに時間がかかるケースです。ベンダー側は修正を待つしかないため、確認フェーズでの停滞がそのままスケジュール遅延につながります。

確認に参加できる担当者が決まっていない

「誰に確認してもらえばいいかわからない」という状態でプロジェクトが始まると、確認フェーズに入ってから調整が発生します。開始前に確認担当者を決めておくことが大切です。

確認のたびに関係者が増える

プロトタイプを確認する段階になって、新たな関係者が加わり「この人の承認も必要」という状況が発生することがあります。関係者と意思決定のフローは、早い段階で整理しておくことをお勧めします。