RPAで定型作業を自動化する〜繰り返し業務をソフトウェアに任せる〜
メール転記・システム入力・帳票出力など、毎日繰り返す単純作業をソフトウェアロボットに任せるRPA。UiPathやPower Automateなど主要ツールの特徴と、導入時の注意点を解説します。
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間がパソコン上で行う操作をソフトウェアが代わりに実行する自動化技術です。ブラウザの操作、Excelへの入力、メールの送受信、システム間のデータ転記など、決まった手順で繰り返す作業に向いています。
プログラム開発とは異なり、画面上の操作を「記録・再生」する感覚で自動化できるため、エンジニアでなくても扱えるツールが増えています。
主なRPAツール
UiPath 世界シェアNo.1のRPAツール。機能が豊富で複雑な自動化にも対応できますが、その分習得コストは高め。中堅〜大企業向けの選択肢です。Community Edition(無料)で試すことができます。
Power Automate(Microsoft) Microsoft 365に含まれるRPAツール。WordやExcel、Outlookとの親和性が高く、すでにMicrosoft製品を使っている企業には導入しやすい選択肢です。クラウドフローとデスクトップフローを組み合わせて使います。
Automation Anywhere UiPathと並ぶ大手RPAベンダー。クラウドネイティブな設計が特徴で、AIとの組み合わせにも積極的です。
WinActor(NTTデータ) 国産RPA。日本語サポートが手厚く、官公庁・金融機関での採用実績が多いです。操作の記録・再生による自動化がしやすい設計になっています。
RPAに向いている業務
- システムAのデータをシステムBに転記する
- 毎朝決まった時間にレポートを取得してメールで送る
- 受注データをExcelに貼り付けて整形する
- Webサイトから特定の情報を収集する
「同じ手順を毎日繰り返している」「手順が決まっていてほぼ例外がない」業務はRPAに向いています。
RPAの注意点
業務フローが変わるとロボットも壊れる システムの画面が変わったり、手順が変わったりすると、ロボットは正常に動作しなくなります。変化の多い業務には向きません。「安定した業務」に適用することが成功の鍵です。
ロボットの管理者が必要 自動化したロボットは放置すると壊れたまま誰も気づかない状態になります。定期的な動作確認と、担当者の引き継ぎ体制が必要です。
根本的な業務改善にはならない RPAは「今の業務手順を自動化する」ものです。非効率な業務フローをそのままRPAにすると、非効率が自動化されるだけです。導入前に業務フロー自体の見直しを行うことをお勧めします。
スクラッチ開発・SaaSとの使い分け
RPAは「既存システムをそのまま使いながら、人手作業だけを減らす」のが得意です。システムを改修できない場合や、複数の既存システムをつなぐ場合に有効な選択肢です。
ただし、RPAで複雑な処理を組み上げるよりも、そもそもシステム間のAPI連携やシステム改修で解決した方が、長期的には安定・安価になるケースもあります。RPAは「短期的な解決策」として捉え、将来的な業務改善の選択肢も併せて検討することが重要です。