エクセルを「正しく」使い続けるための考え方
「脱エクセル」という言葉が流行していますが、エクセルは使い方次第でまだまだ現役のツールです。エクセルに向いている業務と、そうでない業務を整理します。
「脱エクセル」は目的ではない
「エクセルをやめること」が目的になってしまっているケースを見かけます。しかし大切なのはエクセルを使うかどうかではなく、業務が効率的に回るかどうかです。エクセルで十分な業務にシステムを導入するのは、コストと手間をかけて自分たちを不便にすることになりかねません。
エクセルが向いている業務
- 集計・分析:数値データを柔軟に加工・グラフ化したいとき。SaaSのダッシュボードよりも、エクセルの方が自由度が高い場面は多い。
- 一時的な作業:定期的に発生しない作業や、仕様が固まっていないうちの試行計算。
- 少人数での共有:Googleスプレッドシートと組み合わせれば、リアルタイム共同編集も可能。
- システムからのデータ加工:SaaSやパッケージから出力したCSVをエクセルで加工する役割分担。
エクセルが向いていない業務
- 複数人が同時に更新するデータ管理:上書き・バージョン管理の問題が起きやすい。
- 入力ミスが許されない業務:人の手による入力が続く限り、ミスは防げない。
- 承認フローが必要な書類:印刷・押印・スキャンのループが発生し、非効率。
- リアルタイムで参照が必要な情報:在庫残数など、鮮度が求められるデータはシステム向き。
エクセルとシステムを組み合わせる
エクセルとシステムは対立するものではなく、組み合わせるものです。たとえば受注管理はシステムで行い、月次の売上分析はエクセルで行う、という使い分けは合理的です。CRMや販売管理のSaaSはCSVエクスポート機能を持っていることが多く、エクセルへのデータ連携は現実的に運用できます。
パワークエリ・マクロで自動化する選択肢も
エクセルには「パワークエリ」や「マクロ(VBA)」という自動化機能があります。これらを使いこなせると、複数のCSVを自動集計したり、定型レポートを一発生成したりできます。小規模な会社でシステム投資が難しい場面では、エクセルの自動化で乗り切ることも十分な選択肢です。
エクセルを正しく使い続けることは、決して「古い」ことではありません。道具の得意・不得意を知って使い分けることが、IT化の本質です。