システム開発はなぜこんなに時間がかかるのか?

「1年ほどかかります」と言われると、IT化の熱が冷めてしまう発注者も多いはず。なぜシステム開発はこんなに時間がかかるのか、その理由を正直に解説します。

システム開発は「作る」だけではない

開発期間が長くなる最大の理由は、「コードを書く」だけがシステム開発ではないからです。一般的な開発プロジェクトには以下のようなフェーズがあります。

  1. 要求定義:発注者が「何を実現したいか」をまとめる
  2. 要件定義:何を作るかをベンダーと確定する
  3. 見積もり:費用・スケジュールを算出する
  4. 設計:どう作るかを決める
  5. 開発:実際に作る
  6. 開発内部テスト:開発側でバグや動作を確認する
  7. 受入テスト:発注者側が要件通りに動くか確認する
  8. リリース準備・本番移行

フルスクラッチで中規模なシステムを作ると、合計1年程度になるのは自然な流れです。

「要件定義」に時間がかかる理由

発注者側の業務を丁寧にヒアリングして、「何をどう作るか」を確定させるプロセスに、思いのほか時間がかかります。業務の細かいルール・例外処理・将来の拡張性など、決めるべきことは膨大です。この段階が曖昧なまま進むと、後でやり直しが発生し、さらに時間がかかります。

テストに手を抜けない理由

業務で使うシステムは、バグが出ると実際の仕事が止まります。そのためテストには相応の時間と工数をかける必要があります。画面を触るだけでなく、データの整合性・異常系の動作・他システムとの連携なども確認しなければなりません。

「急ぎでお願いしたい」で起きること

期間を無理に短縮しようとすると、要件定義やテストが削られがちです。その結果、リリース後に「想定と違う」「バグが出た」という問題が頻発します。短期開発で費用と品質のどちらかを犠牲にするより、適切なスケジュールで進めることが長期的にはコストを下げます。

開発期間を短くするための現実的な方法

スコープを絞る:最初から全機能を作ろうとしない。まず最低限動く範囲(MVP)でリリースし、使いながら拡張する。

SaaSやパッケージで代替できないか検討する:スクラッチ開発ではなくSaaSで対応できる部分は、SaaSに任せる。スクラッチ開発が必要な部分を小さくすることで、期間と費用を圧縮できます。

要件定義を事前に社内で進める:ベンダーに要件定義から依頼するのではなく、「何をしたいか」をある程度社内で整理してから発注すると、プロジェクト全体がスムーズに動きます。

時間がかかるのは、それだけ複雑な仕事だからです。「なぜ時間がかかるのか」を理解していると、ベンダーとの打ち合わせも、社内での説明も、ずっとやりやすくなります。