完成したシステムを、開発前に確認する
プロトタイピングの定義は、企業や担当者によってさまざまです。私たちは「完成したシステムを開発前に確認すること」と捉えています。この考え方が、IT化の失敗を根本から防ぎます。
プロトタイピングの定義は人によって異なる
「プロトタイピング」という言葉を聞いたとき、どんなものを想像するでしょうか。ワイヤーフレームのような設計図、モックアップと呼ばれる画面の見本、簡易的な動作確認ツール——人によって、また企業や業界によっても、プロトタイプが指すものはかなり幅があります。
ITコンサルタントやSIerが作るプロトタイプは、多くの場合「主要な画面のレイアウト確認」や「コア機能の動作検証」を目的とした部分的なものです。全体の設計を固める前に、特定の論点を検証するための道具として使われます。これはこれで有効なアプローチですが、あくまで「開発に入るための準備」という位置づけです。
アルコジのプロトタイピングは「完成形の先出し」
私たちのプロトタイピングは、もう少し踏み込んだ考え方をしています。「完成したシステムを開発前に確認すること」——これが私たちの定義です。
部分的な確認ではなく、本番稼働後の業務フローをそのまま体験できる状態まで作り込みます。実際に操作して「これが日常業務で使うシステムです」と体験してもらうことで、開発着手前に発注者・開発者・現場担当者の間での認識を完全に揃えることができます。
なぜ「完成形の先出し」にこだわるのか
システム開発の現場でよく聞く言葉があります。「完成してみたら、思っていたものと違った」。
これは発注者の責任でも、開発者の責任でもない場合がほとんどです。双方が誠実に取り組んでいても、完成前の段階では同じものを想像していると思っていただけで、実際には少しずつズレていた——というケースがほとんどです。
完成したシステムを開発前に確認できれば、このズレは本番稼働前に解消できます。変更が必要であれば、開発コストが大きくなる前に軌道修正できます。プロトタイピングを「完成形の先出し」と捉えることで、その本来の価値が最大限に引き出せます。