ベンダーやコンサルタントはプロトタイプを作ってくれるか
プロトタイプを作りたいと思ったとき、誰に頼めばいいのか。ベンダー(受託開発会社)とコンサルタントに依頼した場合の実態を整理します。
ベンダー(受託開発会社)の場合
受託開発を本業とするベンダーは、プロトタイプの依頼を受けることはできます。ただし、本音としてはあまり歓迎しない会社が多いです。
理由はいくつかあります。
売上として弱い:プロトタイプは本開発より規模が小さいため、売上としての魅力が低くなります。同じ開発者をアサインするなら、本開発の方が収益性が高くなります。
開発者の確保が必要になる:プロトタイプであっても実際の開発工数がかかります。本開発案件が並行している場合、プロトタイプのために開発者を割くことはリソース管理上の課題になります。
本開発の着手が不透明になる:プロトタイピングを行っても、その後の本開発を自社に発注してもらえるかどうかわかりません。プロトタイプだけで終わるリスクを嫌がる会社もあります。
こうした事情から、ベンダーに「プロトタイプを作ってほしい」と依頼すると、Figmaなどのデザインツールで作った画面モックを提供するにとどまるケースが多いです。実際の業務ロジックやデータが動く状態までは作らないことがほとんどです。
コンサルタントの場合
ITコンサルタントは、業務分析・課題整理・システム要件の定義が主な役割です。大手企業ならともかく、個人事務所や小規模企業ではプロトタイプの作成は本来の業務範囲とはやや異なるため、対応できない、またはそもそもスコープに含まれないケースが多いです。
コンサルタントがプロトタイプを用意する場合、実際には外部の開発会社やデザイン会社に発注していることがほとんどです。コンサルタント自身がエンジニア出身でもないぎりコードを書いてシステムを作るわけではありません。
提供されるプロトタイプの精度は、ワイヤーフレームや画面遷移を確認できるクリック可能なデザインが中心になります。実際の業務ロジックを再現した状態まで作ることは、コンサルティングの料金体系・期間・スコープからは外れることが多いです。
また、プロトタイプの作成をそもそも提案しないコンサルタントも少なくありません。要件定義書の作成をもって「設計フェーズ完了」とし、その後の発注を別途行う流れが一般的です。
プロトタイプ専門の会社という選択肢
ベンダーもコンサルタントも、プロトタイピングを専業としているわけではありません。そのため、「本番に近い状態のプロトタイプを作る」という目的に特化したサービスを提供できる会社は限られています。
私たちアルコジは、プロトタイピングを専業としています。実際の業務ロジック・データ・フローを再現した状態まで作り込むことを前提としており、「完成形の先出し」としてのプロトタイプを開発します。ベンダーやコンサルタントに依頼した場合に得られるものとは、精度と目的が異なります。
プロトタイプに何を期待しているかによって、依頼先の選択が変わります。「画面の見た目を確認したい」であればデザイン会社やベンダーで対応できます。「業務が実際に回るかどうかを開発前に確認したい」という目的であれば、それに対応できる会社を選ぶことが重要です。