プロトタイピングの期間と費用の目安
プロトタイピングにどのくらいの時間とコストをかけるべきか。プロトタイプの種類や目的によって大きく変わります。判断基準と、費用対効果の考え方を整理します。
プロトタイプの種類による違い
期間・費用はプロトタイプの精度によって大きく異なります。
モックアップ・軽量プロトタイプ(クリック可能なデザイン)
FigmaなどのデザインツールやノーコードツールでUIを作り、クリック遷移を設定するレベルのものです。デザイナーや慣れた担当者が作れば1〜2週間程度で用意できます。費用は数十万円からが目安です。
確認できるのは画面レイアウトと画面遷移の流れです。業務ロジックやデータの確認はできません。
本番に近いプロトタイプ(実動作・実データを含む)
実際の業務ロジック・データ構造・フローを再現した状態まで作り込むプロトタイプです。開発者が実装を行うため、1〜3ヶ月程度の期間がかかります。費用は数百万円規模になることが多いです。
業務が実際に回るかどうかを開発前に確認できます。完成形の先出しとして機能するため、本開発に入ってからの手戻りリスクを大きく下げられます。
費用対効果の考え方
プロトタイピングのコストは、本開発の規模と比較して考えることが重要です。
本開発が数千万円規模のシステムであれば、数百万円のプロトタイピングコストは全体の10〜15%程度です。プロトタイプによって仕様のズレや業務フローの問題が事前に解消されれば、本開発中の手戻り・追加改修のリスクが下がります。完成後に大きな改修が1〜2回必要になることを考えると、プロトタイピングの費用は十分に回収できることがほとんどです。
逆に、本開発が数百万円の小規模案件であれば、プロトタイピングのコストが占める割合が大きくなりすぎる場合があります。この場合は、プロトタイピングの範囲を絞るか、丁寧な設計を行った上でそのまま開発に入る方が合理的なこともあります。
期間の考え方
短すぎるプロトタイピングは、確認できることが限られます。「とりあえず画面を見せた」レベルでは、業務フローの問題は見えてきません。
一方、プロトタイピングに時間をかけすぎると、本開発の着手が遅れます。プロトタイプはあくまで「確認のための先出し」であり、本開発と同じ品質・同じ工程を踏む必要はありません。
目的を「本番で使う業務フローが実際に回るかどうかの確認」に絞り、その確認に必要な最小限の範囲で作ることが、期間・費用を最適化するポイントです。