「IT得意です」を信じて社内SEを採用した
「IT得意です」を信じて採用したのは、流行りのクラウドサービスやアプリに詳しい事務作業員だった。
採用の経緯
自社のIT化を本格的に進めるため、社内でIT推進を担当する人材を採用することにしました。求人票には「社内SEとして業務システムの整備・管理・IT化推進を担当していただきます」と記載しました。
面接では「ITやシステムが得意」「クラウドも使えます」「パソコン業務全般に自信があります」という話が出ました。採用担当者にはITに詳しい人がおらず、明確な評価方法がわからなかったため、自己申告を信じて採用を決めました。
入社後にわかったこと
入社後に業務の話を進めていくと、状況が見えてきました。
得意だったのは、ワード・エクセル・メールの操作、グループウェアやファイル共有サービスの一般ユーザーとしての利用でした。つまり「ITを使うことが得意な人」「流行りのITサービスを知ってる人」というものでした。企業が本来求めていた業務システムの設計・要件定義・ベンダーとの折衝・データベースの基礎知識など、期待していたスキルとは大きく異なっていました。
採用担当者も「IT」や「クラウド」という言葉でまとめられていた領域が、まったく別のものを指していることに気づきました。
誰も気づかなかった理由
採用した側も、社内にIT専門の知識を持つ人間がいませんでした。面接でどんな質問をすれば技術的なスキルを確認できるかがわからず、結果として「本人が自信を持って話しているかどうか」で判断していました。
入社後も、何ができて何ができないかを正確に判断できる人間が社内にいないため、問題が表面化するのに時間がかかりました。
対策として
社内SEを採用する前に、何ができる人材が必要かを外部の専門家に整理してもらう。
「IT」という言葉は広すぎます。事務系IT(ツールを使う)・システム系IT(システムを作る・管理する)・インフラ系IT(ネットワーク・サーバーを管理する)では、必要なスキルがまったく異なります。
採用要件の設計・面接での評価方法・入社後の業務範囲の定義まで、社内で完結させようとせず、最初に外部のITコンサルタントや開発会社に相談することで、ミスマッチのリスクを下げられます。
やってもらいたい業務をまとめておく。
採用時はシステム開発と同じで「あれもやってほしい、これもやってほしい。だからひとまとめにITが得意な人がほしい」と思うものです。しかし、これまで述べてきた通り、ITは非常に広い範囲であり、期待する業務ができるとは限りません。主な社内SEの業務としては以下の通りです。
- システムの企画、要件定義
- ベンダーの選定、コミュニケーション
- システムの日々の運用・保守
- SaaSの選定・見積もり
- 業務マニュアル作成
- 社内PCのサポート、アカウント管理
- セキュリティ管理
- 予算管理