「AIが全部やってくれる」と思っていた

社長が展示会から帰ってきた翌日、社内に激震が走った。「AIを導入する。これでDXは完了だ。」

AI導入から6ヶ月後

AI搭載のチャットツール・分析ダッシュボード・自動応答システムの3つが、それぞれ別の部署に導入された。月額費用は合計で十数万円。全社員に向けたキックオフミーティングも開催され、「わが社のAI活用元年」と銘打たれた。

6ヶ月後、使っているのは広報担当の1人だけだった。用途はメルマガの文章の叩き台を作ること。

社長は別の展示会に向かっていた。

問題は、AIが悪かったわけではないことだ。業務フローへの組み込みがなく、使い方を覚える機会もなく、「便利そうだから入れた」ツールが3つ並んだだけだった。「AIが判断してくれる」と思っていたが、何を判断させるかを誰も決めていなかった。

なぜ機能しなかったのか

AIはデータがなければ動きません。業務フローに組み込まれなければ使われません。「何の課題をどう解決するか」を先に決めないと、ツールだけが増えます。

道具は、使い方を決めた人の手の中でしか機能しません。

AIを入れる前に、「このAIで何の作業をどう変えるか」を1行で書いてみてください。書けなければ、導入はまだ早いです。